バイク胸部プロテクターが必要な理由と効果、選び方と使い方

バイク胸部プロテクター
Pocket

この記事を読まれている方は、安全に対する意識が高く、バイクの胸部プロテクターに関心がある方なのではないでしょうか。

しかし、バイク乗車時に胸部プロテクターを必要とするような重大事故に遭遇したことがなく、本当に必要なのかどうかに疑問があり、なかなか購入に踏み切れない事と思います。

そんな方に向けて、この記事では、バイクの死亡事故でどの部位が重症を負いやすいのか / 胸部プロテクターが必要な理由 / 効果的な使い方についてご紹介します。

記事の最後に、おすすめの商品についても記載していますので、ぜひ参考にしてください。

最初に

胸部プロテクターについてご説明する前に、警視庁が毎年発表しているバイク事故で死亡した方が、どの部位に致命的な損傷を負ったかを記載します。

バイクの事故死亡者が損傷した主な部位の構成比率

警視庁が毎年発表しているバイクの事故死亡者が損傷した主な部位の構成比率では、頭部 / 胸部の順で高い比率を締めています。

この構成比は過去に遡っても変わりません。

ヘルメットのあごひも結束及びプロテクターの着用状況の調査結果

損傷部位 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 
全損 0.0% 2.5% 2.2% 5.3% 5% 0% 0%
頭部 40.9% 50.0% 40% 47.4% 50% 57.1% 47.5%
顔部 0.0% 2.5% 2.2% 0% 0% 2.9% 1.5%
頸部 9.1% 10.0% 8.9% 7.9% 7.5% 2.9% 7.4%
胸部 36.4% 30.0% 26.7% 23.7% 25% 22.9% 27.0%
腹部 6.8% 2.5% 11.1% 7.9% 7.5% 8.6% 7.8%
背部 0.0% 0.0% 0% 2.6% 0% 0% 0.5%
腰部 2.3% 2.5% 6.7% 2.6% 5% 5.7% 4.4%
腕部 0.0% 0.0% 0% 0% 0% 0% 0%
脚部 4.5% 0.0% 0% 2.6% 0% 0% 0.5%
その他 0.0% 0.0% 2.2% 0% 0% 0% 1.0%

出典:警視庁

最も上位の頭部に関しては、重大事項になった原因の多くが以下のような理由とされています。

  • 安全性能の低いハーフヘルメットを被っていた
  • 顎紐をしっかり締めていなかったので、事故に遭遇した際にヘルメットが脱げた

警視庁への問い合わせでは、頭部が原因のバイク死亡事故の約3割〜4割はヘルメットの脱落が原因で、年間の推移も大きく変化がない。

次に高い胸部分は、胸部プロテクター装着の有無が、生死を分ける可能性が高く、行政も胸部プロテクターの装着を推進していて、胸部プロテクターの装着率も年々装着率も上がっています。

  胸部プロテクター装着率
 2007年 第1回調査  4.0%
 2008年 第2回調査  4.3%
 2009年 第3回調査  3.8%
 2010年 第4回調査  4.1%
 2011年 第5回調査  6.3%
 2012年 第6回調査  6.5%
 2013年 第7回調査  9.0%
 2014年 第8回調査  7.2%
 2015年 第9回調査  7.1%
 2016年 第10回調査  7.2%
 2017年 第11回調査  7.1%
 2018年 第12回調査  7.8%

出典:警視庁

胸部プロテクター普及活動の効果

行政や業界の啓蒙活動の効果で、損傷部位が頭部の場合の数値は、ほぼ横ばいだが、胸部の数値は、2012年以降下がり、過去3年では20%前半から中盤で推移するようになっている。

バイク胸部プロテクターが必要な理由

バイク胸部プロテクター

バイクに乗車している方の多くが、デザインだけではなく、事故の際の頭部へのダメージ軽減を考えてヘルメットを購入されるのではないでしょうか。

ライディングジャケットやバイクグローブ等のバイク用品を購入する際も同じで、プロテクターの有無や安全性を考慮される事と思います。

そんな、安全への意識の高い多くのライダーが、装着する事で心臓等の重要な臓器が詰まった胸を保護する事が出来る胸部プロテクターを装着していないのです。

この記事を読まれている方は、現在胸部プロテクターの購入を検討されている事と思いますので、是非この記事を最後までお読みいただき、購入するかどうかの判断材料にしていただければと思います。

衝突事故の際に胸部を保護する為

胸部プロテクターを装着するべき理由は、胸部へのダメージを軽減させる為です。

バイクは車と違いエアバッグが標準で装備されていませんしシートベルトもありません。
速度の出た状態で事故に遭った際、登場者が胸部に受ける可能性の一例を以下にご説明します。

  • 事故の衝撃でそのままバイクのハンドル部分やタンクに胸部がぶつかる
  • 事故の衝撃で体が投げ出され構造物や車両にぶつかる
  • 事故の衝撃で体が投げ出されアスファルトに打ち付けられる

最悪の場合は、肋骨が折れ、折れた骨が心臓等の臓器を傷つけたり、内臓破裂が破裂してしまう可能性もあります。

また、これらの他にも、後続車や対向車に轢かれてしまう等、考えられる可能性は沢山あります。

バイクの事故は、速度をどれだけ出してたか、どのような形で事故に遭って、車両とどのように衝突したかで違ってきます。

長年バイクに乗っていて経験を積んだ方や、飛び抜けた運動神経をお持ちの方でも、バイク乗車時に事故に遭わないという保証はありません。

ご家族や友人知人が、あなたのいない世界で涙を流さなくても良いように後悔の無い選択をするようにしてください。

胸部プロテクターの選び方

この章では、胸部プロテクターの選び方についてご紹介します。

自分に合ったプロテクターを選ぶ

胸部プロテクターには、インナーに単体で着用するタイプと、ジャケットに装着出来るタイプがあります。

単体で着用するタイプ

単体で着用するタイプは

メーカーやジャットの作りを問わずに利用可能なので、夏と冬でジャケットメーカーが違う方や、ジャットの買い替えを定期的にされる方にオススメです。

しかし、プロテクターを着込む分、胸部に少し余裕が必要ですので、購入時に注意してください。

ジャケットに装着出来るタイプ

ジャケットに装着出来るタイプは、自社製品にだけプロテクターを取り付けられるような作りにしている事が多く、同じジャケットメーカーの製品を使い続ける方予定の方にオススメです。

しかし、プロテクターを装着する為の余裕を最初から考慮してジャケットがデザインされている点や、ジャケットとプロテクターを、一度に脱ぎ着が出来るなど、メリットもあります。

性別に合ったプロテクターを選ぶ

バイクと言えば男性の乗り物のイメージがあり、バイク用品はレディース用の商品が少なく男女兼用のイメージが強かったですが、一部には女性専用の胸部プロテクターも販売されています。

これらの点を考慮して、必ず購入時は一度試着して、身体に合ったものを選ぶようにされるとよいでしょう。

プロテクターの性能

折角内蔵されているプロテクターも、樹脂の塊のようなものでは、衝撃も吸収してくれません。

最低限でも、安全を考慮する際は、CE規格を通ったプロテクターが付いた胸部プロテクターを選びましょう。

JMCA推奨胸部プロテクター

胸部プロテクターを購入される際に、CE規格を通っているかが不明な際は、JMCA推奨胸部プロテクターと書いてある黄色と黒のステッカーが貼られている胸部プロテクターを購入してください。

※JMCAとは、一般社団法人の全国二輪車用品連合会の事で、バイク関連企業で結成された団体。

推奨マークが付く対象は、胸部プロテクターのCE規格「EN1621-3」を通過している事が必須で、Level1には☆星が1個、Level-2は★2個が付いています。

JMCA推奨胸部プロテクター

出典:JMCA 一般社団法人の全国二輪車用品連合会

しかし、この認証は、JMCAに加入している会社が製造または販売している商品にだけ付けられますので、CE規格を通過している商品に認証がないから、駄目な商品という事ではありません。

また、JMCAの認証があるから、絶対安心ということではありませんので、注意してください。

バイク胸部プロテクターの効果的な使い方

この章では、胸部プロテクターの効果的な履き方についてご説明します。

バイク専用ライディングジャケットとの併用

胸部プロテクターと、バイク専用のライディングジャケットを併用することで、胸だけではなく、腕 / 肘 / 肩部分も保護されますので、事故や転倒時に重大事故に繋がる怪我を負う可能性を下げる事が出来ます。

胸部プロテクターを装着する際は、バイク専用ライディングジャケットと併用される事をおすすめします。

以下に夏と冬のライディングジャケットの選び方についてご説明した記事のリンクを記載しますので、是非ご一読ください。

膝のプロテクターやプロテクター入りパンツとの併用

胸部と違い致命傷となる事は少ないですが、転倒や事故で骨折 / 打撲 / 捻挫といった怪我を負いやすい箇所が脚部です。

胸部プロテクターを装着する際は、膝のプロテクターや、プロテクター入りパンツを併用されると、より安全性を高める事が可能です。

以下に膝のプロテクターと、プロテクター入りジーンズの選び方についてご説明した記事のリンクを記載しますので、是非ご一読ください。

他の部位のプロテクターに関連する記事

おすすめのバイク胸部プロテクターをご紹介

以下に、おすすめのバイク胸部プロテクターをご紹介します。

RSタイチ テクセル セパレートチェストプロテクター TRV068

商品情報

  • ブランド名 : RSタイチ(アールエスタイチ)
  • サイズ:MEN’S
  • 重量:250g
  • 素材:ポリプロピレン
  • 安全規格:CE
  • JMCA:○
  • 参考価格:¥13,684

おすすめポイント

  • CE規格を通過したハニカムコア材TECCELLを採用
  • 付属のフィッティングベルトを使用することで身体へダイレクトに装着可能
  • ベルトを外せばCPS(チェストプロテクターシステム)に対応したジャケットへの装着も可能

RSタイチ テクセル セパレートチェストプロテクター TRV064

商品情報

  • ブランド名 : RSタイチ(アールエスタイチ)
  • サイズ:WOMEN’S
  • 重量:230g
  • 素材:ポリプロピレン
  • 安全規格:CE
  • JMCA:-
  • 参考価格:¥11,275

おすすめポイント

  • CE規格を通過したハニカムコア材TECCELLを採用
  • 製品全てのエリアにおいて高い衝撃吸収性を発揮
  • 付属のフィッティングベルトを使用することで身体へダイレクトに装着が可能
  • ベルトを外せばCPS(チェストプロテクターシステム)に対応したジャケットへの装着も可能

コミネ スプリームボディプロテクター SK-688

商品情報

  • ブランド名 : Komine(コミネ)
  • サイズ:M / L / XL / 2XL / LADIES
  • 重量:839
  • 素材:ポリエステル / ナイロン / ポリプロピレン
  • 安全規格:-
  • JMCA:-
  • 参考価格:¥5,236

おすすめポイント

  • 胸部と脊椎をしっかり保護するボディプロテクター
  • 体の動きにしっかり追従するプラスチックシェルを装備
  • バックプロテクターに加え胸部の保護には男女で形状の異なるシェルを採用
  • 立体メッシュを内側パッドに使用

コミネ マルチチェストプロテクター SK-695

商品情報

  • ブランド名 : Komine(コミネ)
  • サイズ:Freee Size
  • 重量:322
  • 素材:ポリエステル / ナイロン / ポリプロピレン
  • 安全規格:-
  • JMCA:-
  • 参考価格:¥3,077

おすすめポイント

  • 新形プラスチックシェルを使用した胸部プロテクター
  • SK-692と合体させてボディプロテクターとしても使用可能

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事で、バイクの事故で胸部への致命的なダメージが原因となったケースがどのくらいあり、何故胸部プロテクターが必要なのかをご紹介させていただきました。

バイクは車のように安全なフレームに守られているわけではありませんし、車両購入時に乗員を保護するエアバッグやシートベルトなどの安全装備はついてきません。

バイクに乗車する際は、本人が意識して安全装備を追加購入するしかありません。

この記事をお読みの方が、胸部プロテクターを装備されて、万が一の際に後悔されない事を願っています。

Pocket

コメントを残す

*